ICT教育&プロジェクト学習
なぜ「ICT 教育」が必要なのか?
ICT 教育の目的は大きく2つ挙げられます。
1つは、わかりやすい授業の実現です。子供たちの確かな学力を育成するためには、よりわかりやすい授業を実現することが重要です。ICTを効果的に使うことで、視覚や聴覚に訴えかける臨場感のある学びを実現できます。 もう1つは、「情報活用、分析能力」、そして「創造力」です。従来の教育では、いかに大量の知識を暗記できるかに重きが置かれていました。
しかし、知識や情報をインターネットでいくらでも手に入れられるようになった今、膨大な知識や情報の中から必要なものを主体的に選び取り、活用できる力の育成が求められています。
また、これからは生徒と教師の双方向型の授業やアクティブ・ラーニングが求められるなか、ICTはそれを支援するツールとしても重要です。このようにICT 教育は、次世代に向け、時代が求める新しい学びの実現において必要不可欠です。本校では有効なものとして積極的に取り組んでいます。
ICT を活用した教育
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- わかりやすい授業音声、Web サイト、映像やアニメーションなど、ICT の活用で授業は視覚に飛び込んでわかりやすくなります。 たとえば、図形問題をタブレット上で実際に動かして立体的な理解、複雑な時代背景やあらすじを映像で見せることで興味を惹きます。多角的なアプローチによる教育は、生徒の興味関心を惹き付け、学習意欲の向上につながります
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- 学習の効率化本校では全校生徒にChromebook を配布し、課題配信や情報発信などのリモート機能を積極的に活用しています。
また、Classi(全校生徒が使用する教育プラットホーム)では、家庭学習用動画やWeb テストなどが活用でき、難しい単元も繰り返し学習できるので、学習の効率化につながります。
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- 個別学習/プロジェクト学習ICT を活用したきめ細やかな学習支援:Chromebook やタブレットを用い、グループ単位で思考を深め課題解決や探究活動に取り組む「プロジェクト学習」においても教員はその進捗状況を随時確認することができ、リアルタイムなアドバイスを実現しています。
グループウェアを活用した家庭学習支援:自宅のPC、タブレット、Chr omebook 等からアクセスし、教科からの課題や授業動画を用いた予習復習等を各家庭で取り組むことができます。
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- 情報活用、情報分析能力社会の急速な変化と情報が多様に行きかうなか、生徒たちが必要な情報や情報手段を選択し活用できる「情報活用能力」の重
要性はますます高まっています。また、選択した情報を整理、分析し活用する「情報分析能力」も社会に出ていくうえで必要です。情報社会に主体的に対応していく力を備えるため、ICT リテラシーについても学びます。
ICT を活用し、授業中の資料共有やインターネットを利用してのリアルタイムな情報共有を実施します。
情報処理能力は未来を生きる力「最先端のICT特別授業」
現代社会に後れず、確かな役割を果たしていく人材育成の観点から、ICT 教育は中学・高校でも欠かせないカリキュラムとなっています。
淑徳SCでは、AI(人工知能)やIoT(Internet of Things:すべてのものがネットにつながる)、ロボットなどの技術が織りなす次世代の革新的社会にきちんと順応、対応できるICTの基礎を培う教育カリキュラムをいち早く取り入れています。
プログラミング思考を養う2020年の小学校での必修化を皮切りに、プログラミング教育が中学・高校でも順次必修となります。プログラミングを学ぶ目的は「プログラミング的思考」の力を養うことです。プログラミング的思考とは「自分が求めることを実現するために、必要な動作や記号、またそれらの組み合わせを考え、どのように改善すればより意図したものに近づくのかを考える論理的思考」のことです。 |
新しいセキュリティ知識情報通信技術の発展の陰で、情報リテラシー格差の拡大が社会問題ともなっています。情報技術が悪用され、よく分からないままに犯罪に巻き込まれるリスクも高まっています。一方、情報技術の利便性だけに注目して個人情報を自ら危機にさらすリスクもあります。 |
情報リテラシー学習内容
- 情報の正しさを的確に判断する技術
- 情報が拡散することに対する正しい知識
- SNSの安全な利用の仕方
- 情報発信のための安全な態度
授業内容の紹介(一例)
中学1年Scratch(スクラッチ)プログラミング学習
プログラミング学習の基礎編として、プログラミング学習の必要性や日常触れる身近なソフトウェアがプログラムによって作られていることを理解する。
小型サイズのコンピュータ「ラズベリーパイ(Raspberry pi)」を利用して、コンピュータの仕組みの基礎を学ぶ。
プログラミング学習や簡単にアプリを制作できるプログラミング言語「Scratch」で、表現する手段である制御について、プログラミングを組むことで学ぶ。
12時間~※
中学2年RoboBlocks(ロボブロックス)
実際の人型ロボットを動かして、ロボットの仕組みやプログラミングの基礎を学べるカリキュラムです。人型ロボットを使ったプログラミング教育の良さは、センサーのはたらきとモーターの動きの関係をプログラムで制御する(論理的な思考)が実践できることです。
生徒たちにとってはディスプレイの中の仮想的なものより、実体のある機械や装置が動きしゃべるといったことの方が結果が分かりやすく、楽しんで学習に取り組むことができます。
12時間~※
※授業の特性上、生徒、機器の接触や共有がありますが、登校時検温、入退室時手洗い、消毒を徹底しております。
授業のポイント
- 少人数だから、生徒一人一人の疑問や質問に対して細かな対応ができるプログラミングの個別指導
- 生徒一人ひとりがpepperで表現したい動作やおしゃべりのプログラムを組み込み、実際にpepperを動かして確認できる体験
- 楽しみながらプログラミングの基礎となる論理的思考やデザイン思考を学ぶことができる授業
授業での学習項目例
- プログラミング的思考とは(デザイン思考・論理的思考)紹介生徒さんたちが解釈できるように、経験ありそうな視点から紹介
- 前回の復習(口頭で説明)
- Robo Blocksの基本操作(Pepperの基本姿勢を理解する・Pepperにしゃべらせる・しゃべると同時に動かす・Pepperを移動させる)
- プログラム保存方法
各学習項目の実施内容
1)プログラミング的思考とは(デザイン思考・論理的思考)紹介
生徒さんたちが解釈できるように、経験ありそうな視点から紹介。
前回は「おりがみ」でしたが、今回は「茶道」です。
「なぜ、お抹茶をいただくときに、茶碗の正面を避けるのか?茶碗の扱いと亭主と客人の配慮」を取り上げて、配慮を型(儀礼)で表していて、配慮を顕在化、抽象化していることを、抹茶茶碗を実際に見せながら紹介しました。
みなさん、真剣なまなざしで説明を聞いてくれました。
3)Robo Blocksの基本操作
「歩く」「話す」「アクションする」の3つの動作を使って、自身が発想したものをプログラムで表現するのがテーマでした。
「よっしゃ」を表現している人が多く、聞くと「よっしゃ」が、クラスで流行っているということでした。
次々に、思い思いの「よっしゃ」が表現されていきました。
「よーーーーーっしゃ」だったり、「よっしゃ」「よっしゃ」だったり、アクションしながら「よっしゃ」だったり、それぞれに異なる「よっしゃ」を見て、生徒さんたちは更に発想が広がったようです。
表現したいことをブロックでどう組み立てたらよいかを、個別に要点のみ伝えて生徒さんたちは、目的の表現にブラッシュアップをしていきました。
何度もpepperくんで表現して、確認していました。
そのときに、1人で確認するのではなく、数人で評価し合いながら、確認していました。
最後にプレゼンを行いました。
なにを表現したかったを発言してから、pepperくんを実行してもらいました。
皆、まだ満足していない感じでした。
その気持ちが一番大切なので、生徒さんたちにとって充実した時間となりました。
4)プログラム保存方法
先週同様に、PCへプログラムを保存する手順を紹介し、保存を行いました。
中学3年3Dプリンタを利用したプログラミング学習(基礎編)
3次元形状理解の基礎編として、Society5.0の社会で身近な環境となる仮想3次元空間や空間把握力の必要性について、従来からの実空間との往来体験から理解する。
モデリングツール「tinkercad」の操作することで、デザイン思考と論理的思考や空間把握力を養う。
Scratch ベースの3次元造形用プログラミング言語「Codeblocks」を利用して、3次元形状を倫理思考から構築する基礎を学ぶ。
12時間~※
高校1年3Dプリンタを利用したプログラミング学習(応用編)
プログラミング学習の応用編として、自然科学や数理造形の資料で理論を学び、モデリングツール「tinkercad」のCodebloksのプログラム操作を理解してオリジナルのアルゴリズムを考案する成果物として、オリジナルな雪の結晶をモチーフとしたキーホルダーを作成する。
8時間~※
※授業の特性上、生徒、機器の接触や共有がありますが、登校時検温、入退室時手洗い、消毒を徹底しております。
仮想と現実の3次元空間を横断してICT・データリテラシーを養う
昨今増大しているコンテンツの大容量化やIoTデバイスの普及などによりデータ流通は、5G(第5世代移動通信システム)により更に加速されると見込まれるとされています。
そのような通信システム環境の中、Society 5.0において、AI等の先端技術が教育や学びの在り方に変革をもたらすことが考えられます。
特に、日常生活の様々な場面でICT(情報通信技術)を用いることが当たり前となっている子供たちは、情報や情報手段を主体的に選択し活用していくための基礎的な力としての「情報活用能力」を身に付け、情報社会に対応していく力を備えることがますます重要となっています。
また、双方向に流通する情報は、文字情報だけでなく視覚情報も含まれており、情報処理工学の学びの視点を広げて3D(X,Y,Z)空間の学びにも注目することは、仮想や現実空間の把握能力にとどまらず、可視化技術の理解につながると考えています。
本講座はSociety 5.0の社会で対応していく情報活用能力の育成を目標とし、仮想と現実の3次元空間を横断してICT・データリテラシーを養うこと、SDGsおよびSociety 5.0をふまえた学際的な学びとなります。
◆Society 5.0とは
サイバー空間とフィジカル(現実)空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のこと
※内閣府 Society 5.0 資料より
※時間数は年度ごとの計画、進捗により変動します