学校法人 淑徳学園 淑徳SC 中等部・高等部

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コロナウイルスに関する学校医からのコメント

学校医の新島先生より、コロナウイルスに関してのコメントをいただきました。

新型コロナウイルス情報

順天堂大学医学部名誉教授(小児科)
学校医 新島新一

コロナウイルスおよびインフルエンザウイルス感染者の死亡率

インフルエンザウイルスの死亡率 0.1%(1人/1000人)
日本では、毎年平均1000万人の人がインフルエンザに罹患し、約1万人が死亡しています。その事実は、あまり報道されておりません。
新型コロナウイルスの日本における推定死亡率 0.2%(1人/500人)
(医療事情の悪い中国武漢は2〜2.5%、武漢以外の中国では0.2%)
連日の過剰な報道により、コロナウイルス感染を恐れている方が多いと思われますが、この事から感染してもさほど怖くない事が解ります。不幸にも死亡される1/500の人は、基礎疾患(悪性疾患、免疫不全、糖尿病や慢性呼吸障害など)のある方で特に高齢者が多いようです。

ウイルス感染で、なぜ高齢者が多く死亡するのか?

高齢者は免疫力が低下しているからと考える人が多いようです。しかし免疫力が低下しているのなら、新生児・乳幼児も免疫力が低下しています。しかしコロナウイルス感染で新生児・乳幼児が死亡した話はあまり聞きません。これは新生児・乳幼児は代謝が活発で平熱が高く(37.4℃)、感染すると高熱(38.5-40℃)が出ます。成人の平熱は36.5℃、高齢者では代謝が低下しているため36℃以下となります。このような高齢者では感染しても38℃も出ない事が多く、ウイルスを殺すことが出来ないため、肺炎を併発することが多いのです。

若年者のコロナウイルス感染率と重症化は?

中国の報告では5万6千人の感染者のうち、18歳以下は全体の2.4%で、重症化や死亡した人はほとんどいません。子どもの重症化が少ない理由は解っていませんが、先程ご説明した様に、小児では高齢者に比べ、高熱が出やすいためかもしれません。

コロナウイルスに感染するとどのような症状が出るか?

感染してから症状が出るまでの潜伏期間は最長14日です。まず発熱から始まり、その後は空咳の症状が出現します。1週間後には息切れの症状が出現し、病院での治療が必要な人も出てきます(約15%が重度の症状で5%が重症となります)。一方、感染しても無症状(鼻水や咳が出ない)や軽症の人が約80%いるのが特徴です。

通常のマスクはこれらのウイルスをブロック可能か?

スギ花粉 20-40μm(1mmの1/25-50)
黄砂 4μm(1mmの1/250)
PM2.5 100〜300nm(1mmの1/3300-1万)
インフルエンザウイルス 100nm(1mmの1/1万)
コロナウイルス 20nm(1mmの1/5万)

(1m=1000㎜、1mm=1000μm、1μm=1000nm)

仮にインフルエンザウイルスがテニスボール位の大きさだとすると、コロナウイルスはピンポン玉程度の大きさで、マスクの網み目の隙間は3m位になります。インフルエンザウイルスはN95マスクではブロックできますが、普通のマスクではブロック出来ません。

N95マスクとは

N95マスクイメージ

一般社団法人 日本環境感染学会が2020年2月13日に出した『医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第1版』では、『新型コロナウイルスの感染確定例および疑い例に対しては、飛沫感染予防策と接触感染予防策の適応となります。気道吸引、気管挿管などエアロゾルが発生しやすい状況において は、医療スタッフはゴーグル、ガウン、手袋に加えてN95マスクの装着が推奨されます。』と記載されています。
(医療事情の悪い中国武漢は2〜2.5%、武漢以外の中国では0.2%)N95マスクとは、0.3μm(300nm)以上の微粒子※を95%以上遮断し、かつ着用している部分からの空気の漏れ率を10%以内に抑える機能のあるマスクです。顔にしっかりフィットするものを選ぶことで、空気感染する結核や麻疹などから着用者を守ります。※ここでいう0.3μmとは動力学的質量径(粒子の密度を考慮した数値)であり、数量中位径(実際の粒子の大きさ)で表すと0.075μm(75nm)となります。大きさ100nmのインフルエンザウイルスは、N95マスクでほとんどブロックできることになります。

マスクは有効

しかしマスクの効果として重要なのは、吸気に湿度を添加できることです。私たちが吐いた息(呼気)によりマスクの内側は湿り気を帯び、これにより今度は吸いこむ息(吸気)の湿度が上がります。そして結果、のどの粘膜が乾燥した外気にさらされることなく、潤いを良好に保つことができます。屋内、屋外に関わらず吸気の湿度を一定以上に保つことができ、マスクの役割は非常に重要と言えます。他にも、ウイルス自体は小さすぎてブロックできなくても、ウイルスが混入した飛沫は防ぐことができますし、感染者がマスクをすることで周囲への飛沫の拡散を防ぐこともできます。またマスクをすることで、ウイルスが付着しているかもしれない手で自分の鼻や口に触れる機会も減るでしょう。たとえウイルスが小さすぎてマスクをすり抜けてしまうとしても、粘膜の潤いを保つことでウイルスへの防御力を高めることができ、マスクをすることはウイルス感染予防だけでなく、多くの呼吸器感染症の予防に有効な手段と言えるでしょう。

長期休校中の生活で注意することは?

子どもにとって運動・遊びは、食事や睡眠などの人間の生命を維持する行為と同様に大切です。子どもの発達に運動・遊びはなくてはならないものです。日光を浴びて身体を動かすことで、成長ホルモンが分泌され、睡眠のリズムも整います。またストレスの発散にも繋がります。休校中は、勉強も大切ですが、身体をできるだけ動かすことを心掛けてください。受動的なテレビやゲームなどに没頭することはできるだけ避け、能動的な運動・遊びをどんどんやってください。密封空間(電車、バス、映画館、ライブハウスなど)はコロナウイルス感染のリスクはありますが、公園や広場は換気も良くコロナウイルスに感染する危険はほとんどありません。また移動手段は歩行、自転車はリスクが少なく、安全です。
最後に1日も早く新型コロナウイルス感染が終息することを願っております。

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